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2022年5月にリリースしたhinna吸水型サニタリーショーツシリーズが、
おかげさまで2022年グッドデザイン賞 BEST100に選ばれました!
サンテラボの商品企画開発の携わるスタッフの情熱と、切実なこだわりがつまったこの商品。
その思いを生の言葉で聞きました。
制作の裏側の秘話も交えて、感謝をこめてお送りします。

デザイナー

中川 めぐみ

サンテラボのプライベートブランド「STYLEUP」のデザイナーも兼任。繊維製品品質管理士〔TES〕、インティメイトアドバイザーの資格を持ち、女性のお悩みに寄り添った商品の開発を手掛ける。

デザイナー

加藤 理恵

サンテラボのプライベートブランド「つむぎとくるみ」の企画設計にも携わるデザイナー。繊維製品品質管理士〔TES〕とインティメイトアドバイザーの資格を持ち、幅広い繊維製品の開発を手掛ける。

グッドデザイン賞とは?

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グッドデザイン賞は、1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。今日では国内外の多くの企業や団体などが参加する世界的なデザイン賞で、グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルとして広く親しまれています。その中でもグッドデザイン・ベスト100は、グッドデザイン受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た100件です。

この3商品が受賞しました!

商品はこちら!

ショーツデイリー

ひたっとシームレスに気持ちいい、がんばらない吸水ショーツ。

hinna(ヒンナ)
吸水型サニタリーショーツ デイリー

ショーツナイト

ひたっとシームレスに気持ちいい、多い日・夜用の、がんばらない吸水ショーツ。

hinna(ヒンナ)
吸水型サニタリーショーツ ナイト

吸水型ナプキン

シャワーで汚れがサーッと流れる着けていないような布ナプキン。

hinna(ヒンナ)
吸水型ナプキン

審査員の声

女性の生理用品のあり方を大きく革新できる、高いクオリティのものづくりが評価された。ナプキンとして、吸水部分の素材や構造も十分に検討されており、薄型で快適であり、履いたときのフォルムも美しく、カラーデザインやシームレスの縫製方法など含め、審美性も同時に実現されている。なおかつ、洗濯時の汚れ落ちの良さや、洗濯のしやすさで機能面も優れており、女性の生理ライフを熟考して作られ、従来の使い捨てナプキンの削減にもつながることから環境にも多いに貢献できるデザインである。

審査員の声

女性の生理用品のあり方を大きく革新できる、高いクオリティのものづくりが評価された。ナプキンとして、吸水部分の素材や構造も十分に検討されており、薄型で快適であり、履いたときのフォルムも美しく、カラーデザインやシームレスの縫製方法など含め、審美性も同時に実現されている。なおかつ、洗濯時の汚れ落ちの良さや、洗濯のしやすさで機能面も優れており、女性の生理ライフを熟考して作られ、従来の使い捨てナプキンの削減にもつながることから環境にも多いに貢献できるデザインである。

Q1. なんで、作ることになったの?

A.「ベースとして、不安しかなかったから、ですね。」

サンテラボ(以下「S」):女性の心と身体、ひいては人生にコンシャスであることというサンテラボのポリシーから発足した「hinna」のプロジェクト。そのキーワードとなるフェムテックという言葉がちらほらと聞かれるようになった頃、その代表格として登場していたのが吸水ショーツでした。

中川 めぐみ(以下「中川さん」)吸水ショーツの存在を知った頃、はじめは不安しかなかったです。紙ナプキン派だったので、ショーツ1枚で1日過ごすって…

加藤 理恵(以下「加藤さん」)1日中ずっと取り換えずに同じものを着用してるなんてどうなの??って、2人とも思っていましたよね。

中川さん:そう、でも半信半疑でとりあえず使ってみたんです。いろんな種類の吸水ショーツを2人で試してみたんですけど、慣れるまではソワソワ…なるべく活動を控えて…という感じでした。

加藤さん:いろいろ試しているうちに慣れてくると意外と楽かも、と思うこともでてきたんです。でも同時に、もっとこうだったらいいのになーという思いも積もっていって。

S:慣れだけじゃ解決できない問題も多かったんですね。

中川さん:結局、最初に思っていた不安な部分は解消されなかったんですよね。で、ここはチャンス!!と(笑)実際感じたマイナスポイントを差別化ポイントとして商品化しよう!という流れでスタートしました。

加藤さん:接着ショーツでお世話になっているコスモ(株)さんにお聞きしたところ、技術的に素敵なアイデアもいただけまして。2社で試行錯誤を重ねて出来上がりました!

コスモ株式会社

今回のhinna吸水型サニタリーショーツを一緒に開発してくださったパートナー企業。もともとアンダーウェアの副資材でお付き合いがあり、モールドカップをプレスする技術から、生地同士の熱接着加工まで、幅広い技術を駆使して製品づくりを行っています。

Q2. こだわりを思う存分語ってください!

A.「結局全部拘ったってことになってしまうんですけど…」

S:この話は熱が入りそうな気が…(笑)

加藤さん:開発の前に、商材研究からですかね?
他社さんの商品をたくさん買い込みまして…もうこれでもかというくらい。
それこそ吸水ショーツと言われる商品以外にもサニタリーショーツや、カバーショーツ、布ナプキンまで。「じゃあ、自分が吸水ショーツ買うならどれがいい?」という自問自答からはじまりました。

S:最初から自分事で。

加藤さん:はい。ある程度の吸水力がないといけないし、脱ぎ着するときにヒヤっとしたり不快感があってもいけないな、とか。自分事で考えるとすごく細かい条件が山のように出るんです。それを嚙み砕いていって、素材の条件を大きく2つにまとめました。

加藤さん1つ目は、通気性です。生理ってムレ感があると不快指数が増すので、ムレ感の少ないさらっとした素材、できれば綿混でサポート力がある素材がいいよねーと話したのを覚えています。


「綿混で、通気性が高くて、サポート力もある素材。どんぴしゃです。」

加藤さん:それから、2つ目は「切りっぱなし」ができること。
テープ処理をすると肌に食い込んだり、鼠径部に圧がかかるんです。これがデリケートな日は特にツライ!だから、切りっぱなしに出来る素材がいいと。何度もモニターをして、すべてのバランスが良い素材を選びました。


「ここにテープがあるとツライんです(経験談)」

中川さん:それから、素材で言えば外せないのが「吸水部分の素材」。こちらは、(株)コスモさんから素材を紹介していただいて、それがすごく良くてほぼ即決でした。

S:吸水層は、hinnaの場合は5層(6層)構造ですよね。

中川さん:そうです。中でも特に大事なのが、直接デリケートな部分に触れる1番上の生地と、吸水力を担う2枚目(3枚目)の生地。
1日に何度か脱ぎ着すると思いますが、ベタつき感が少なくて、さらっとした感触で快適ですよ。ちょっとでも濡れ感があったり冷やっとするとイヤですよね。


「さらっさらの表面素材。元々はスポーツウエア用だとか。納得の吸湿・放散性です。」

加藤さん:2層目の吸水体は「汚れ落ちが良くて保水力がある素材」という条件で探しました。
冷えやすい吸水ポリマーを使わずに、繊維自体が保水する機能素材を使っています。だから汚れを抱え込みにくくもなっていて、洗った時の汚れ落ちが良い素材を使っています。


「一見フェルト風のふつうの布。20ml~40mlの水分を保持するショーツの要です。」

中川さん:そして肝心なのは、縫製ではなく「接着」で成形したということですね。縫製にすると縫い目が発生する分、どうしても凹凸が出来てしまって。吸水ショーツの性質として身体に密着するというのが前提なので、そのストレスはなくしたいなと。


「だからタグも付けていませんし」


「縫い目も吸水素材のズレ防止のための1か所だけです」

中川さん:ということで、結局全部こだわったっていうことになってしまうんですけど…(笑)
開発と同時に、コスモ(株)さんからタイミングよく素材と接着技術のご提案を頂けたのもまさに渡りに船!で幸運でした。

Q3. 作り手として、使ってみてどうですか?

A.「精神的な面でかなり解放されます。」

加藤さん:生理の時って、ナプキンのポーチを持ち歩かないといけなくて、社内だと男性陣の目もあるので…勝手に気にしているだけかもしれませんが(笑)
ポーチを持ってお手洗いに行くのがなんとなく恥ずかしかったりもして。家でも、私以外はメンズなので使い捨てナプキンのゴミを出すのがイヤだったんですね。なので、サニタリーボックスも置かずコソコソと、それとは分からない紙袋にいれて捨てていたんです。

S:“ナプキンの扱いに困る問題”、けっこうあるあるな気がします。

加藤さん吸水ショーツを使うようになってからは、まず買わなくていい。紙ナプキンを買う必要がなくなって、買い物リストから1項目減るだけで不思議と気持ちがすごく楽になりました。人目を気にする煩わしさもなくなって、結構快適です。今回完成したショーツ自体はもちろん快適な使い心地なんですが、何より精神的な面でかなり解放されますね。

S:女性の生き方の問題ってずっと昔から続いていて、それこそ戦ってきたすべての女性の人生が連綿と繋がって今に至るわけなのですが、未だに男女の認識の差はありますからね。
「こっそり」がなくなるっていうのは、大きな一歩に感じます。

中川さん:私の場合は、娘が二人いて、「将来自分たちにも訪れる現象なんだよ…」と小さい頃から言っているので、生理に対して抵抗感は持っていないですね。
小学生のママたちと生理の話になることもあって、子どもたちのいろんな悩みを耳にしてました。肌が敏感で紙ナプキンを着けることに抵抗があったり、休み時間にナプキンを替えに行く時間をなかなか作れなかったり

S慣れない子どもたちだからこその悩みもありそうですね。
私も何度か失敗した苦い思い出があります。

中川さん:保健で吸水ショーツを履くことにしたり、オーバーショーツを使ったりしているみたいですよ。

S:今はちゃんとソリューションがある、
ちゃんと楽にできるよっていうことを、子どもたちにも、親御さんにも知ってもらいたいですね。hinnaは「薄さ」もポイントなので、子どもたちの感覚にもフィットしそうです。


「この薄さ!!」

中川さん:私自身の経験でも、今回完成した吸水ショーツを履き続けるようになって、やっぱりイイ!!って実感した点は、ゴミが減ったこと。
ナプキンのゴミって意外と多くて、ゴミの日まで保管するにもにおいが気になったりしてました。それが、吸水ショーツとの併用で1/4くらいに減りました。

S:1年で考えたらすごい量の削減になりそうです!

中川さん2つ目は、面倒だったお洗濯がそれほど苦にならなかったことです。
私はお風呂に浸かっているいる間に、桶に浸けておきます。身体を洗う前にシャワーで流すとサーッと大体の汚れが落ちるので、そのあとは2、3回押し出す感じですすいで、あとは洗濯機へゴー。

S:生理の汚れ落としはかなり手こずるイメージがありましたが。。。意外!

中川さん:お洗濯後、乾燥も早いので、湿ったまま履く…なんてこともないです。私は3枚あれば、その期間は乗り切れています。使い始めて半年以上は立ってますが、まだまだニオイや汚れは気になることなく使い続けられそうです!

最後に、受賞をうけて一言!

「ふだん通りの一助となるように。」

加藤さん:素敵な賞を頂けてとても嬉しいです!
共同開発してくださったコスモさんには、細かい要望にも応えていただいて、納期ギリギリまでよりよい商品になるように調整していただきました。私たちと同じように着用テストまでしていただいて、素敵なパートナーに恵まれたな、と心から感謝しています。

中川さん:今回で3回目のグッドデザイン賞の受賞になりますが、今回は特に嬉しいベスト100にも選出頂きました。吸水ショーツを通して、気持ちも体調も憂鬱になりがちな生理期間を、少しでも快適に普段通りの日常として過ごせる方が増えると嬉しいなと思います。

S:世の中の吸水ショーツの選択肢もこの数年でかなり増えてきました。
hinnaのこのショーツが、これからの時代の女性の生き方にとって、なにかポジティブな一石となることを心から祈っています。
ありがとうございました!


「これからもステキな商品、楽しみにしてます!」