誰にでも訪れる10年「更年期」。

人によって更年期症状の度合はさまざまですが、いつかはやってくる更年期に、ただ漠然と「ツライ時期」とおびえている人は少なくありません。

しかし、もし更年期を迎える前に何かできることがあるとすれば…。
更年期を上手く乗り越えるためのヒントを知っていたらどうでしょうか?

更年期についておさらいした前回の記事に続けて、今回は、更年期症状がピークにきているというYさんにお話を伺うことができました。

Yさんは現在更年期症状に日々悩まされていますが、友人と相談し合ったり、好きなバドミントンで汗を流したりして、少しでも快適に過ごそうと励まれています。

Yさんの更年期による心身の変化や、周りの方のお話、更年期を快適に過ごすために行っていることなど、リアルな更年期事情を教えていただきました。

 

Yさんについて

51歳。出産経験なし。事務職のため、1日の大半がデスクワーク。
若い頃から週3回バドミントンを楽しんでいたが、50歳で足首をケガし、現在リハビリ中。
更年期4年目の今年は特に更年期症状がひどくなったと感じている。

 

更年期の始まりとサイン

 

 

サンテラボ編集部(以下S):いつから更年期症状が始まりましたか?

Yさん(以下Y):48歳から生理が乱れだしました。まだ完全に生理がこなくなったという感じではなくて、2か月後にくることもあります。それに、生理の時には胸が張ることもまだあります。

S:更年期のサインは何かありましたか?

Y:私はイライラ→体の火照り→関節痛の流れでした。友人はホットフラッシュからきてる人が多いみたいです。

S:周りの方も更年期になってきているんですね…

Y:そう。早い人は45歳からなった人もいます。人によって更年期が訪れるタイミングはバラバラみたいですよ。

S:周りの方とそういうお話、されるんですね?

Y:いや、最初は同年代の子には「更年期きた?」って聞いたり相談したりはしづらかったです。

S:それはなぜです?

Y:やっぱり、自分が歳をとったって認めたくなかったからかな。症状がピークの今でも、職場の人にも言いづらいです。「更年期を理由に甘えている」って思われそうだし、余計ストレスに感じてしまいそうなので。

S:更年期がオープンになったように思われる今でも、まだまだ当事者の方たちは周りに話しづらい状況なんですね…。

 

症状について

 

 

S:更年期症状について、もう少しお聞かせいただけますか?

Y:49歳から頭痛、めまい、眼精疲労の症状が出て、50歳後半~51歳の今は、ひどいイライラ感、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、疲労感、視力低下、関節痛、体のこわばり、情緒不安定などの症状があり、今が一番にツラいと感じています。体の火照りは先にきたんですが、今年8月から顔にもホットフラッシュが出るようになって。いつもの夏とは別レベルの、滝のような汗が出るんです。エアコンが効いた涼しい部屋にいるのにですよ!?

S:そんなにたくさんの症状が…

Yなにもかも、本当に一気に不調が出てきました。何が老化で何が更年期による症状なのかも分からないです。

S:母も50歳ぐらいの時、「めまい」でしばらく仕事を休んだことがありました。病院で、メニエール病と言われたみたいですが、今思うと更年期症状だったんじゃないかと思います。

Y:そうなんです。今回、このインタビューを受けるにあたってネットで更年期について調べてみたんですが、調べて始めて「この症状も更年期の症状だったんだ!」って気づいたものも多くて(笑)。YouTubeにすごい共感できる動画もあって、思わずずっと観ちゃいました。

S:どんな内容ですか?

Y:そのYouTuberさんが言っていたのは、ちょっと足に何かがぶつかっただけなのに、蹴っ飛ばしたくなるほどのイライラ感が出たり、イライラしてモノに当たりたいのに理性が働いて当たれない葛藤がすごいって。あと、寝ても寝ても疲れが取れないと言っていて、全部に共感しちゃいました。

S:こんなに穏やかなYさんでも蹴っ飛ばしたくなっちゃうんですか!? ちょっとしたことにもすごいイラついちゃうんですね…! 何か、症状を改善させるためにしていることはありますか?

Yあまりにも症状がひどいと薬を飲みます。飲むとイライラ感が落ち着きます。本当は薬に頼りたくはないのですが、症状がひどいとツラいので…。あとザクロも良いと聞いたので、気休めかもしれないですが取り入れるようにしています。あとは、足首のケガのリハビリということもあるのですが、週3回整骨院に通って体のマッサージもしてもらっています。

S:産婦人科を受診したりはしていますか?

Y:いえ、コロナがひどい時期だったこともあり、まだ受診できていないです。知人は、産婦人科で漢方を処方してもらったり、ホルモン治療をしてもらったりしたみたいで、楽になったって言っていました。私も今後は産婦人科、行ってみようかなぁ…

S:体と心、どっちがツラいですか?

Y:うーん、体が思うように動かなくって、気が滅入るといった感じですかね。

 

   

更年期前の自分に伝えたいこと

 

 

S:更年期前の自分に伝えてあげたかったこと、ありますか?

Y:45歳ぐらいから運動をもっとしておけばよかったと思います。運動をしている人は同年代でもまだ更年期がきていない人も多いみたいなんです。ストレッチを一日2回するとか、ラジオ体操をするとかでもいいと思います。あと、毎日2Lの水を飲むこと! 元々冷え性でむくみもすごいから、朝起きてまずコップ1杯の水を飲むとか、水を飲む習慣をつけていたらよかったなと。水を飲むって大事って言うじゃないですか。昔は体が柔らかいほうだったのに、最近は脚を広げることもツライです。

S:私も、水を毎日2Lなんて量、飲めていません…。健康のために、飲めるようにならないとですね…! では、Yさんは更年期をどう受け止めていますか?

Y:そうですね…、今はとにかく楽しくないです(笑)。それに、痛み止めを飲むほど生理痛がひどいタイプで、早く生理なんて終わってほしい!!と思っていたのに、いざ終わりかけると、こっちのほうがツラいじゃん!!!って (笑) 。

S:本当ですね!

Y:でも、周りには「顔があつい、あつい!」って明るく笑いながら言ってる人もいますし、「10年間、うまく付き合っていくしかない!」って言う人もいて。適度に体を動かして汗を流して、ストレスをため込まないように、できるだけ爽快な気分でいることが脳にとって良いなと思うんです。私カラオケも好きで、カラオケでストレス発散もします(笑)。仕事や家事で流す汗と、好きなことをして流す汗って違うと思うんです。そうやって、好きなことをしてうまくストレスを発散しながら乗り越えていけたらいいなと思っています。

S:10年も続くなら、明るく乗り越えたほうがいいですもんね。

Y:そうですね。

S:毎日症状に悩まされて大変かと思いますが、あまり無理なさらず、時には自分を甘やかしながら気楽に過ごしてください。Yさん、お話をお聞かせくださってありがとうございました!

 

インタビューを終えて

 

 

Yさんのお話の中で、「老化と更年期症状の区別がつかない」という印象的な言葉がありました。

いろんな症状が一気にやってきたと聞いて、いつかは自分にもやってくるのかと少し圧倒されてしまいました。

しかし、それを知っているのと知っていないのとでは、更年期への備え方も迎え方も変わってくると思います。

今は2歳の子どもを育てるのに必死の毎日で自分のことは二の次ですが、子育てが落ち着いたら、Yさんのように夢中になれる好きなことを見つけたり、ヨガでも筋トレでも日常的にできる運動をして、健康で幸せなシニア期のために「自己投資」を始めたいと思いました。

 

更年期は次のライフステージに上がる時。

自分の年齢と向き合い、身体の変化を受け入れる。

それが更年期の本当のテーマなのだと、Yさんへのインビューを通して気づきました。

「成長と自己発見の機会」ととらえ、今から前向きな気持ちで更年期を迎えることができれば、
より充実した人生をおくることができるかもしれませんね。

 

【サンテラボ編集部】スタッフ あずま