腸活の前に意識したい「消活」とは?【後編】
セルフケアアナリスト
眞田まゆみさん
「セルフケアの その先に。」
身体がととのう「究極のセルフケア」をご紹介。
セルフケアがわたしたちに与えてくれるものとは―。
PROFILE

セルフケアアナリスト
大手化粧品会社で商品開発や美容塾等の運営に携わりながら、日常生活の中にセルフケアを取り入れ、身体の変化を楽しむ女性のライフスタイルを提案。現在は、商品プロデュースや情報発信を通じてプロアクティブ(予防的)なセルフケアや、自尊感情が高まるセルフケアを広めている。
日々忙しく過ごす女性たちに「セルフケア」という素晴らしいツールを通じて、心身の調和と自信を取り戻すお手伝いをすることをミッションに掲げている。「消化力マイスター」の資格を持ち、消化の大切さを広める活動もしている。
前編では、消活の大切さと、日常で簡単に取り組める消化ケアについてご紹介させていただきました。後編では、消化力を高めるためのさらなるセルフケアについてご紹介します。
毎朝1分の「出汁瞑想」で消化力をサポート
忙しい日々が続いたり、特別な行事が続く年末年始、季節の変わり目には食事も乱れがちです。そんな時には、五感を使った「食瞑想」をぜひ試してみてください。この方法は食べることに意識を集中させながら、心と体を整える新しいアプローチです。今回はその食瞑想の題材として「出汁」を使った「出汁瞑想」をご紹介します。

日本人の伝統的な味覚でもある「うま味」を活かした「出汁瞑想」は、食べるという行為に集中しながら、五感をフルに使って日々の自身の食行動について気づきを得られるセルフケアです。
できれば「朝の習慣」として取り入れることで胃腸をやさしく目覚めさせ、快適な1日を始められます。
さらに、「出汁瞑想」は味覚を整え、研ぎ澄ます練習にもなるので、乱れた食生活で狂いがちな舌や、日々の暴飲暴食を見直すきっかけにもなります。
1〜2分の時間があれば簡単にできるのでぜひ試してみてください。

▼出汁瞑想のやり方
1. 普段使っているお気に入りの出汁と小さなカップを用意します。
(うまみ成分たっぷりのhinnaの出汁が個包装で使いやすく、出汁瞑想にもおすすめです)
2. 静かな場所で、湯に溶いた出汁をカップに注ぎ、心を落ち着けて香りをじっくりと嗅ぎます。
カップに添えた手の温もりも感じてください。
3. 一口ずつ出汁をゆっくりと口に含み、舌で転がしながら出汁のうま味をじっくりと味わっていきます。
この間、何かに意識をとらわれての“ながら”行動は避け、五感をフルに使って「出汁を飲むことだけ」に意識を集中させます。
この一つのことに意識を集中するプロセスの瞬間瞬間が、まさに「瞑想状態」となり、心身をリセットする穏やかなひとときへと変わっていきます。
4. 出汁を飲み終えたら、今感じた感覚を数秒間振り返る時間を持ちましょう。
「今日の体調」や「味覚の変化」「五感の感覚」等を手帳に一言記録しておくのもおすすめです。
これを毎朝の習慣にしていくことで、昨日の自分との違いにも気づけ、日々の体調や小さな感覚の変化にも気づきやすくなり、自分自身をいたわる「自己管理能力」も高まります。
「出汁瞑想」を朝に実践するのが難しい場合には夜に試してみてももちろんOKです。忙しい日々の中で自分自身を見つめる時間を持つことで、心の中に自然と「余白」が生まれていきます。
ストレスは消化にも影響する

更年期の女性が抱えるストレスは、消化力に直接的な影響を与えます。ストレスを感じると交感神経が活性化し、体は消化活動よりも危機回避を優先します。これにより消化酵素の分泌も抑えられ、その結果、胃もたれや消化不良、さらには便秘といった症状が現れることがあります。

ストレスを感じた時は、簡単なリラクゼーションを取り入れてみてください。
まずは深い呼吸を意識した呼吸法を試してみましょう。腹式呼吸は副交感神経が刺激され、胃腸がリラックスした状態に戻ります。瞑想も効果的で、わずか5分間でも気持ちが落ち着き、心と体のバランスが整います。
また、ハーブティー(カモミールやペパーミント)や温かいスープを積極的に摂るのも良いでしょう。
さらに、日常生活に自分なりのリフレッシュ方法を見つけることも重要です。ストレッチなどの軽い運動や自然散策、例えば編み物のような、一つの事に没頭できる趣味の時間を設けることで、ストレスから解放されていきます。自分自身に心と体のバランスを取り戻すことで、消化力も自然と回復していきます。
「消活日記」のススメ

最後に「消活」として、もう一つお伝えしたいメソッドがあります。それは簡単な食の記録を記すジャーナルです。
忙しい日々の中、自分の消化力や食生活を意識する機会は意外と少ないもの。消活日記はダイエット記録とは少し異なります。自分の食べた物はもちろん記しますが、注目すべきは、食べ方、食べた時間、体調の変化、それによる気づきを記録することです。
食べた物を振り返ることは多いかもしれませんが、自分自身の食行動、「何を食べるのかではなく、どのように食べているか」について見直すことは少ないと思います。「消活日記」は自分に合った食生活を発見することができるシンプルなツールです。
▼消活日記の手順
1.「食べた時間」「食べたメニュー」「食べるのに費やした時間」「体調や気分の変化」などを記録します。
細かい形式にはとらわれずに「朝7時 カツサンド 10分で完食。昼に胃もたれ 昨夜睡眠不足」といったように簡単にメモを書くだけでもOKです。
メモ的な記録でも続けていくうちに、自分自身の食べる量や時間、食べ方が自身の体調や消化にどのような影響を及ぼしていくのかが徐々に見えてきます。
2. この記録を基に、自分なりの食行動の改善策を考えてみましょう。
咀嚼回数を増やしてみたり、食事時間を固定したり、選ぶメニューを変えてみたり、時には食事回数自体を減らしたり。消化を助ける食材を取り入れることなどを試してみるのも有効です。日常無理なく行える小さな行動から始めるのがポイントです。
これらを記録することで自分の体調の波を把握でき、ストレスや睡眠不足の影響についても気づきやすくなるなど、自身の健康管理についての理解も深まります。
ぜひ「消活日記」を通じて、あなた自身の体に耳を傾け、より健やかな毎日を作り上げていってください。「継続は力なり」です。まずは簡単な記録を手帳に書き込んだり、スマホを活用したりなどもおすすです。ぜひ自分自身の食行動の記録を綴ってみてください。
新しい年の始まりに、心と体を整える「消活」を

年の始めや季節の変わり目などは、心機一転して新たな習慣を始めるのに絶好の機会です。
今回お届けしたテーマ「消化力」を高める日々の実践は、決して難しいことではありません。よく噛むこと、食べることに集中すること、リラックスすることなど、日常生活の中で少し意識するだけで手軽に取り組めることばかりです。
また「出汁を使った瞑想」や「食の記録」など、自分と向き合う時間や方法を取り入れることで、忙しい毎日の中でも自己対話ができ、内面からの健康づくりがより豊かなものになっていくはずです。
「消化」を意識することで、無理なく続けられるヘルスケア習慣が手に入り、更にはその他の目標達成へのサポート、そして活力みなぎる一年を支えるものにもなるかもしれません。
貴女が新たな自分へ生まれ変わるきっかけとなりますように。
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